【働く愛】
マーティン・ルーサー・キング著の説教集の「汝の敵を愛せよ」の第4番目は「働く愛」です。
聖書箇所は「そのとき、イエスは言われた、『父よ、彼らをおゆるしください。彼らは何をしているのか、わからずにいるのです』」。(ルカによる福音書23・34)です。
そのときとは、イエスが十字架に架けられているときです。
キングは2つの点で話している。その後半部分の「彼らは何をしているのか、わからずにいるのです」から教えられたことを書きます。
「彼らは何をしているのか、わからずにいるのです」盲目こそ彼らの災いであり、彼らには啓蒙が必要です。
人々は奴隷制を正当化するために、宗教・各学・哲学の洞察を、都合よく、組み合わせて、白人優越の理論に是認をあたえ、間もなくこの観念は、あらゆる教科書に植えこまれ、事実上すべての説教壇で説かれたので、それは文化を構築する一部となった、と言われています。
彼はこの説教で差別は人によってつくられたものである、と事例をあげ説明しています。
誠実な無知(盲目)と、良心的な愚鈍ほど危険なものは、世界中どこを捜してもありはしない。
彼はこう語ってます。「この悲劇的な盲目は、われわれ自身の時代にある多くの険悪な物の考え方の中にも現れている。・・・彼らは悪人ではない。むしろ逆に、彼らは善人であり、尊敬すべき市民である。」と。差別者は極悪人でもなく、むしろ逆に、普通の人あるいは良い人なので、差別者とは思われない。差別者自身も自分が差別者とは思っていない。
私はこの説教を読みながら、差別者を造り出す構造は現代社会で問題化されているハラスメントの構造に似ていると思います。だから、表面化しにくいし、解決が困難であり、厄介なのだと思います。
私たちはイエスの十字架上のこの言葉を心に留めておかなければなりません。
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