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巻頭言 エクレシア

【 教会 エクレシア 】

 

 新約聖書はもともとコイネギリシア語で書かれています。

日本語で「教会」、英語で「Church」と訳されている原語は「エクレシア」です。

イエスの日常会話はアラム語でした。新約聖書の著者はイエスのアラム語を訳すとき、教会を「エクレシア」と訳したのです(マタイ1618節)。

「エクレシア」は「呼び出す」に由来したギリシア語で、市民の集会を

意味していました。

使徒言行録19章39節に「正式な会議(あるいは『集会』で解決して・・・」と「会議(集会)」と書かれている単語は「エクレシア」です。

 古代ギリシアにおいて市民集会エクレシアは、市民生活にとって重要な事柄を市民の集会で議論して取り決めるという政治的な集会でした。

これはきわめて民主主義的・平等主義的な政治形態であり、のとの議会制民主主義の基礎になる政治的な集会でした。(「虹はわたしたちの間に」

山口里子著より引用)

 教会の集まりが「呼び出された」者たちの集まりだと、言う意味で、この単語を用いられたのだと思います。

 山口里子さんは同著で、日本語の「教会」について

-日本語の「教える会」と書く「教会」という訳語も、平等関係よりも縦関係を象徴するもので、余り適切とは思えません。

私の聖書学の講義を受けておられた或るシスターが、「『共会』と書くほうが最初期キリスト教共同体の『エクレシア』にはあいますね」とおっしゃっていましたが、私も同感です。-と書いています。

 

 (牧師)